4.5. 今後の課題

1) 共同事業体を構成して行うエクィティ・ファインナンスは、大きなポテン シャルを持っている。しかし、それを普及させるためには、いくつかの解決し なければならない問題がある。

2) 第一に、倒産法制とライセンス契約や組合契約との関係が理論的にクリア であるとは言い難い。

3) 第二に、組合をはじめとする共同事業体において、パッシプな立場の投資 家による開発資金の償却がどのようにして行われるべきか、という税務上の問 題が明らかであるとはいえない。この点も、いくつかのモデル・パタンを提示 していかなければならない。

4) 第三に、知的財産を信託銀行に信託できないというのは、非常に困った問 題である。これについては、信託業務の一層の自由化が必要である。

5) 第四に、商品ファンド法。商品ファンド法は、知的財産権に対する投資が その適用対象となることを前提としつつ、実際に適用される投資対象は政令に よって定められる形をとっている。将来、商品ファンド法がソフトウェア投資 に適用されるかどうかは、政令と通達の整備によって明らかにしなければなら ない。

6) 第五に、カルチャーの問題。個人の責任と権利を正面からみすえた、つま り、個人が会社の陰に隠れて無責任となってしまわないような契約に我々の社 会が適応できるのかどうか。適応できないならば、ソフトウェアに対する共同 事業体を構成して行うエクィティ・ファイナンスはすべて空しいものとなるだ ろう。


会社横断のファイナンス 〜エクィティ投資を中心に〜
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