しかし、金融機関がこれらの作業を容易にできるわけではない。そうすると、 connoiseurが金融機関や投資家に雇われて、ベンチャーのファインディングと ポートフォリオの組成、及び、ベンチャーのモニターを遂行しなければならな い。
ところが、ソフトウェア・ベンチャーに投資する場合には、話が違う。レイ ター・ステージにある企業であれば、ソフトウェア担保融資という便法によっ て、共同事業体方式よりずっとシンプルな方法を利用できるだろうし、そのよ うな企業はこれから開発するソフトウェアが全く新しい大化けの可能性のある もの、というよりはバージョン・アップであることが多いだろうから、それだ けに投資しても大きな旨味はない。(もちろん、安全性が高いから、ポートフォ リオには是非組み入れておきたいところではある。)
大化けを狙うなら、アーリー・ステージにある企業にも投資して、本当に手 をかけてやらなければならない。但し、五年も待っていても仕方がない。開発 完了まで待てる時間はせいぜい一年半であるし、それだけの時間を超えてもま だ製品化を始められないなら、そのプロダクトは既に時代遅れとなる。
一方、開発が終わったら、それで終わりではない。その後は、ケア、インテ グレータの育成と認証、ヴァージョン・アップと実に息の長い商売になる。そ こまでやって初めて投資家に大きなリターンが得られるのかも知れない。
2) 現在では、4GL (4th Generation Language)、さらには、CASE (Computer Aided System Engineering)ツールの利用が一般的となってきているから、ソ フトウェア開発の一番重要な部分は、川上、つまり、要求定義を明らかにして 論理設計をする部分である。
3) ただ、そうはいっても、単純に、川上と川下が分かれて、クリエイティブ な人間が川上をやり、川下のコーディングを一般人又はソフトウェア・ツール がこなしてくれる、というふうでもない。もし、このようなやり方が妥当する のなら、川上の設計が終わるまでクリエーターを確保しておき、きちんとドキュ メントを残させておけば、その後クリエーターが転出しても問題はないはずで ある。しかし、現実は、それとはずいぶん異なる。
4) その原因は、OOP (Object Oriented Programming) とプロトタイピング方 式が一般的となったことである。まず、OOPに対応したプログラミング・ラン ゲージ(典型的にはC++。C++が中途半端にOOPに対応したランゲージであるこ とは、ここでは措く)が一般的に利用されるようになったことで、完全無欠の 論理を体現したプログラムを作らなくても、プログラムの部分部分をある程度 まで自己完結的に動かせるようになった。そうなると、最初から要求定義を抽 象的に完全に用意してからプログラミングを始めるよりも、少しずつ作っては プロトタイプを動かしてみて、手直しや追加を繰り返していってプログラムを 仕上げるという手法が一般的になってきている(少なくとも、PC向けのプログ ラムの世界では)。その結果、開発作業の最初から最後まで、少数のクリエー タが試行錯誤でプログラムを完成していくということになり、プロジェクトの 初期だけクリエータがいればよいというわけにはいかなくなる。(もちろん、 OOPとプロトタイピング方式の普及により、プログラム開発全体にかかる時間 は大幅に減っているからその面ではリスクが従来より軽減されていることを無 視してはならない。)
5) なお、ついでながら、OOPとプロトタイピング方式の普及の結果、開発ド キュメントが(もともとあまりろくに用意されなかったのではあるが)従来よ り一層作られなくなったことには注意しておく必要がある。なぜなら、開発ド キュメントが残っていないと、ソフトウェアに対する担保を実行しても、その ソフトウェアを販売していく上で必要なデバッグやアップ・グレードができな いというはめに陥るからだ。実際、プロジェクトが途中でこけた場合、CASEツー ルを利用して同じ機能を果たすプログラムを一から作った方が早い、というの は、よくいわれることである。
6) ともかくも、プロジェクト開発の途中でクリエーターたちが会社を出ていっ てしまったのでは、会社にとってはもちろん、"会社の"プロジェクトに投資す る投資家たちにとってもたいへんな損害であることは確かである。
7) そうなると、投資家たちとしては、なんとしても、クリエーターたちが会 社から逃げ出すことを阻止しなければならない。
8) ここで、クリエーターたちが何故会社から逃げ出すのか、その理由を考え てみなければならない。このクリエーターたちは、無能で、そのプロジェクト を遂行する重圧に耐えかねて逃げ出すのだろうか?仮にそうだとすれば、たと えこのクリエーターたちが会社から逃げ出さなかったとしても、そのプロジェ クトは失敗する。このプロジェクト失敗のリスクを共同事業体の仕組みを工夫 することによって回避することは事実上無理。このリスクは、投資プロジェク トをファインディングする段階で見破らなければならなかったはずである。そ れは、Connoisseurの責任であり、そのようなConnoisseurを信頼した投資家自 身の責任でもある。
9) しかし、多くの場合、クリエーターは、無能だから逃げ出すわけではない。 無能なクリエーターこそ出ていくと食いっぱぐれるから会社を逃げ出さない。 逃げ出すクリエーターは、"俺が独立してやれば、こんなプロジェクトもっと うまくいくはずだぜ"と思っているから、あるいは、"会社は俺の能力に見合っ た報酬を与えていない"と思っているから逃げ出すのである。つまり、会社か ら逃げ出すようなクリエーターは、しばしば、今いる会社を出ていったとして も、資金さえあれば同様のプロジェクトを、おそらくはより効率的に、仕上げ る能力があるだろう。
10) また、次のような問題も考えてみてはどうか?投資家は、会社に投資し たいのか?それとも、プロジェクトに投資したいのか?答えはプロジェクトで ある。ならば、会社にこだわることもないではないか?
11) こうしてみると、実は、先に述べた当事者の列挙には、何かが落ちてる ことがみえてくる。つまり、クリエータたち自身が個人として、共同事業体の 法的な当事者又は参加者として参加しなければならないのではないか、という ことだ。
12) もし、クリエータたちが個人として共同事業体に参加するならば、投資 家にとってはいろいろなメリットがある(投資してもらう会社にとっては、投 資を呼びやすくなること以外は、むしろデメリットかもしれないが、そもそも 投資してもらわないと新しいプロジェクトにとりかかれないのだから同じこと である)。
13) 第一に、クリエータたちは、彼らを強く拘束することのできない会社と の労働契約によってプロジェクト遂行の義務を負うにとどまるのではなく、投 資家との直接の契約によってプロジェクト遂行の義務を負い、逃げ出すことに 対しては大きなペナルティが課せられる。従って、クリエータたちは、簡単に は、プロジェクトから逃げ出す気持ちにはなれない。
14) 第二に、共同事業体は、会社の規定の枠を超えて、クリエータたちに対 して、実績に応じた収益の分配を行うことができる。これは、クリエータたち にとって、実力に見合った収益機会が得られるのだから、そのプロジェクトを 適切に完成させるための、非常に大きなインセンティブとなる。しかも、会社 の給与体系の枠をくずす必要もないし、ストック・オプションのように、会社 の株式が公開しなければ何の価値もないものとも違い、実質的な近い将来に金 として現実化する(それも、彼らの力次第で)機会を手にいれることができる のである。
15) 第三に、クリエータたちが逃げる可能性が減らせることは会社にとって もメリットのはずである。
16) 第四に、クリエータたちによる成果そのものは、共同事業体がおさえる のだから、マーケティングする機会は、クリエータがプロジェクトを放り出し て逃げ出して新会社を作る場合と異なり、会社に与えられるのが通常であるか ら、会社側もかえって安心である。
17) しかし、第五に、これは投資家の都合であるが、会社にマーケティング の力がないとか、クリエータたちが会社に不信感を抱いているということにな ると、共同事業体にクリエータたちを残したまま、会社だけを追い出す(組合 員の除名)ことができるような契約にしておくこともできる。つまり、投資家 としては、会社に金を一方的につぎこんで後は会社にまかせるほかないという のと異なり、クリエータたちを自分たちの側に取り込むことにより、会社との 交渉力をパワー・アップすることができる。
18) この仕組みは、自動的に、投資先会社の身売りや倒産に対処する力とも なる。
2) ソフトウェア・ハウスが身売りしたとしても、それが大株主の株式の第三 者への譲渡にとどまるときは、そのソフトウェア・ハウスの法的な実体はその まま変わらずに存在する。また、そのソフトウェア・ハウスが第三者に吸収合 併された場合は、その法的地位が包括的に存続会社に承継される。
3) 従って、形式的な法律上は、ソフトウェア・ハウスの身売りがあったとし ても、投資家にとって何ら影響がないようにみえるかもしれない。
4) しかし、既に説明したように、ソフトウェアの製作は、個人の技量に多く を負う仕事である。それゆえ、身売り後のソフトウェア・ハウスが投資の対象 となっているプロジェクトに対して良い人材をまわさないとすれば、投資家に とっては、当てが外れることになる。
5) これに対処するという意味でも、投資するための共同事業体の参加者にキー・ パースンを確保して、身売り後の会社が投資の対象であるプロジェクトに力を 入れない場合には、人間そのものを投資家側が引き上げることがありうるとい う形で、投資家はソフトウェア・ハウスとの交渉力を確保しなければならない。
6) しばしばみられるような投資して、投資して、投資して、そして何も残ら なかったという結末は避けなければならない。
7) さらに、可能な場合は、ベンチャーであるソフトウェア・ハウスのオーナー 自身を共同事業体の直接の参加者とさせ、身売りの方法についても投資家らが 関与できるようにしておくことも考えられる。また、当該ソフトウェア・ハウ スの株式の買い取りについて、第一優先権を確保しておくことも考えておいて 良い。もちろん、結局は、どこかに転売することになるはずだが、交渉力を維 持するためである。
8) また、投資家が常にソフトウェア・ハウスの人員の配分について監視し、 指図できるような手段も契約上、確保しておくべきである。
2) 投資家として問題としなければならない身売りにはいくつかのパタンがあ る。
3) 第一に、投資の対象となっているプロジェクトそのものを身売りしようと する場合がある。
4) 第二に、投資の対象となっているプロジェクトに必要なリソース(人的資 源、プログラム・モジュールの資源、特許権、著作権等)を持つ部門を身売り しようとする場合がある。
5) 第三に、投資の対象となっているプロジェクトとの関係が薄いとしても、 その部門がなくなることが、当該ソフトウェア・ハウスの財務体質を弱くした り、又は、技術者にとっての魅力を薄め、結果として、技術者の流出につなが るような部門を身売りしようとする場合がある。
6) これらに対処するために、投資家集団は、いくつかの対策を講じておかな ければならない。
7) 第一に、先に述べたように、キー・パースンであるエンジニアらを共同事 業体に直接参加させることによって、人質としなければならない。
8) 第二に、部門を買い取る第一優先権を確保しておくことも考えて良い。も ちろん、結局は、どこかに転売することになるはずだが、交渉力を維持するた めである。
9) 第三に、投資家が常にソフトウェア・ハウスの経営資源の配分を監視して 指図できる権限も、契約によって確保しておきたい。
2) しかし、投資の対象となったプロジェクトが順調に進行しているのにもか かわらず、その会社の以前の又は並行して行われているビジネスの不調のため に、または、それらのために調達した資金を弁済できなくなったことにより、 投資先のソフトウェア・ハウスが倒産しようとする場合はどうだろうか?
3) このような場合には、プロジェクト単体を切り離してソフトウェアの開発 を継続させ、できあがったソフトウェアのマーケティングを行う受け皿を用意 すれば、ソフトウェア・ハウスの倒産によるリスクの増加を全部とはいわない までも、相当程度まで回避できるような仕組みを用意すべきである。
4) 先に述べた、キー・パースンでるエンジニアたちを共同事業体の直接の当 事者として確保することは、ソフトウェア・ハウスの倒産にかかわらず、プロ ジェクトを続行するための必須の要件であるといえる。
5) 知的財産の確保はソフトウェア・ハウスの名義ではなく、共同事業体(現 実的には、共同事業体の管理者)の名義によってなされるべきである。そうし ないと、ソフトウェア・ハウスに対する債権の回収のためにソフトウェア・ハ ウスの財産を差し押さえようとする債権者に対抗できなくなるからである。
6) プロジェクトの成果(中間的成果も含む)を利用して得られる収益が直接 ソフトウェア・ハウスの手許に入ってはならない。あくまでも、共同事業体が ソフトウェア・ハウスにマーケティングを委託して、入金は直接共同事業体 (現実的には、共同事業体の管理者)のアカウントに入金され、共同事業体が ソフトウェア・ハウスに対して手数料支払いを後で行う形にしておかなければ ならない。(仮に、売り上げが直接ソフトウェア・ハウスのアカウントに入り、 ソフトウェア・ハウスが共同事業体に分配金を払うのでは、ソースで他の債権 者に押さえられてしまうと、投資家としてはアウトである。)共同事業体から の支払を差し押さえられても、それはもともと共同事業体には残らないはずの 金なのだから、投資家にとっては財務的には悪い影響は何もない。
7) ソフトウェア・ハウスが破産した場合には、共同事業体が民法上の任意組 合として構成されているならば、ソフトウェア・ハウスは自動的にその構成員 (組合員)たる地位を失う(民法679条)。そして、ソフトウェア・ハウスの 破産財団に対しては、共同事業体から清算の上配当が行われるにとどまる。だ から、配当金額をどう計算するかとか、いつ配当すべきか等技術的に難しい問 題はあるにしても、破産管財人が共同事業体によるプロジェクトの執行そのも のに対して口を出すことはできない。ソフトウェア・ハウスが破産したとして も、投資家の思うようにプロジェクトの帰趨を決められなくなるというわけで はない。
8) ソフトウェア・ハウスが会社更生となる場合には、共同事業体が民法上の 任意組合として構成されているとしても、ソフトウェア・ハウスが法律の規定 によって自動的に共同事業体から除名されるわけではない。共同事業体の管理 者がソフトウェア・ハウスの財務状況が悪化したと合理的に考えれば、直ちに なんら通知催告なしに、ソフトウェア・ハウスを除名できるようにしておくべ きである。
9) なお、このようなソフトウェア・ハウスの除名が否認(会社更生法78条) の対象となるかどうかについては、はっきりした結論は出せない。しかし、少 なくとも、除名してそのままソフトウェア・ハウスが除名されてなんら権利を 喪失してしまうのではなく、フェアな清算金の分配を共同事業体から受けられ るならば、大きな問題はない。
10) この文脈からすれば、共同事業体の契約において、清算方法(特に、清 算金を分配する方法)を明確にフォーミュラによって定めておくことは重要で ある。
11) このように、ソフトウェア・ハウスの倒産によってプロジェクトの管理 に対して異なる意見を持つ者(とりわけ、プロジェクトを継続させて長期的な 利益を狙う投資家たちとは異なり、金額は少なくなっても、短期的に換価する ことを希望する管財人)が入ってくるリスクは回避できるであろう。
12) また、プロジェクトの成果の利用方法について管財人から干渉されるリ スクも概ね回避できるであろう。
13) しかしながら、それですべてが安心ということはできない。
14) まず、プロジェクト開始前からソフトウェア・ハウスが持っていた知的 財産権、及び、プロジェクト外でソフトウェア・ハウスの中で創り出された知 的財産権で、プロジェクトを遂行するのに必要なものを、プロジェクトが使い 続けることが可能になっているだろうか?
15) これらの知的財産権については、もし、共同事業体の構成員とソフトウェ ア・ハウスの間で明確な契約がないと、ソフトウェア・ハウスが共同事業体か ら脱落すると同時に利用できなくなってしまうかもしれない。だから、共同事 業体自身がそれら知的財産権を利用する権限を獲得しておくべきである。
16) では、その利用権限とは、果たして、ソフトウェア・ハウスから共同事 業体がライセンスを受ければそれで足りるといえるのだろうか?
17) まず、必要な知的財産権のプロプライアタが第三者の場合はどうか?そ のプロプライアタのソフトウェア・ハウスに対するライセンスは、パッケージ・ ソフトの場合でない限り(パッケージ・ソフトなら共同事業体が店頭で別に購 入すればよい)、ソフトウェア・ハウスの倒産が即時解除の事由になっている はずだ。だから、共同事業体がプロプライアタから直接ライセンスを受けられ るように準備しておかなければならない。
18) プロプライアタがソフトウェア・ハウス自身の場合はどうか?ライセン ス契約は、管財人によって解除されうる"双方未履行の双務契約"でもあり得る。 だとすると、共同事業体がプロジェクト遂行に必要な知的財産についてソフト ウェア・ハウスからライセンスをうけていたからといって常に安心できるわけ ではない。これを防止するためには、ライセンサーであるソフトウェア・ハウ スの共同事業体へのライセンスの解除に対して高額のペナルティを契約上予め 定めておくことにより、管財人に対して、ライセンスを解除するよりも継続す る方が破産財団や更生会社にとって有利であると考えさせるような状況を事前 に作り上げておくべきである。また、当該知的財産を予め定められた金額で買 い取るオプションを契約上確保しておくことも考えることができる。
2) もっとも重要なのは、いくつかの性格の異なるプロジェクト(例えば、そ の開発資金の一部にはデット・ファイナンスが提供されているヴァージョン・ アップ案件のように比較的リスクが低いもの、新規のゲーム・ソフトのように 賭けの要素が強いもの、電機メーカー向けのデバイス開発のように技術の買い 手とリスクをシェアできるもの等)を組み合わせることだ。そのためには、も ちろん、Connoisseurの役割が重要である。
3) さらに、一つの投資ファンドのポートフォリオをすべてソフトウェア開発 への投資に向ける必要はない。例えば、ファンドの30%程度のみをソフトウェ ア開発への投資に向け、その他は、伝統的な株式投資を行うベンチャー・キャ ピタル・ファンドへの投資、商品ファンドへの投資等に向けてもかまわない。
4) また、プロジェクトの破綻によって投資家は投資が無駄になるわけだから、 投下資金を早期に償却できなければならない。そのために会計処理の方針を事 前に明確にしておくことは極めて重要である。投資を準備する極めて早い段階 から公認会計士の関与が必要なゆえんである。
2) しかし、ソフトウェアの担保価値を生かすためには、仮に融資先のソフト ウェア・ハウスが左前になったとしても、そのプロジェクトを引き継いでマー ケティングが可能な状態までもっていく主体が必要である。残念ながら、銀行 自身はそのような主体にはなれないし、また、そのような主体の候補者を傘下 に多数抱えているわけでもない。
3) エクィティ投資家の方は、多くの場合、銀行のような業法によって行うこ とができるビジネスの範囲に規制を受けているわけではない。従って、デット・ ファイナンサーが業法に阻まれて講ずることのできない監視手段をエクィティ 投資家は講ずることができる。
4) そこで、同じプロジェクトに対して、デット・ファイナンサーとエクィティ 投資家が手を組んで同時に融資及び投資を行うならば、互いに共同してプロジェ クトの監督ができることになる。
5) もちろん、デット・ファイナンサーとエクィティ投資家の利害が対立する 場面がないわけではない。典型的には、失敗に終わったプロジェクトを解消し て資金を解消しようという場合に、デット・ファイナンサーが担保を実行する ならば、エクィティ投資家の方はプロジェクトを継続できなくなる。
6) けれども、先に述べたとおり、ソフトウェアに対する担保を実行すること は、必ずしも実質的な資金の回収にはつながらない。
7) 従って、おそらくは、多くの場合、デット・ファイナンサーにとっても担 保を実行するよりは、共同事業体にプロジェクトを継続させる方が、実質的な 回収につながるのではなかろうか?
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